奇想天外な特許出願:(2)就寝時に素敵な夢を⾒る⽀援システム

 皆さんは眠っている時に見てみたい夢はありますか?もし見たい夢がいつでも見れるようになりましたら、本当に夢のある話ですね。実は、このような願望をかなえてくれそうな発明の出願が実際にはあったのです。

 

 その発明は「就寝時に素敵な夢を⾒る⽀援システム」という名称でした(出願番号特願2004-257319)。「就寝時に素敵な夢を⾒ることを⽀援するシステムを提供するものである」といいます。

 

 この発明の着想と目的について、出願者は次のように記しています。「私は、寝ている間も、時々の目や耳からの刺激により、見る夢が左右されることに気がついた。それであれば、いい夢を見て、楽しく過ごせる簡単な装置はないかと、考えてみた。特に最近は、お年寄りや、独身のミドルも多いので、楽しい夢を見る装置は、その人の人生をより豊かにするものと考えられる。」。

 【実際に出願書に添付された図面】

 さて、これほど立派な発明でしたら、さぞ高度の複雑な設備になるだろうと思いきや、意外にもシンプルな構成でした。「寝ている場所から見やすい位置に自在に移動可能なパネル型テレビと、光ディスクに記録されたデジタルデータの音声・画像編集機能を備えたパーソナルコンピューターにより構成される……。パネル型テレビを移動可能にするものとして、テレビを移動可能にするスタンドを採用する……。自分の好むデータ記録されている光デイスクから編集した独自のライブラリーを有する」という、家電製品の継ぎ合わせでした。

                     【実際に出願書に添付された図面】

                                   

 このようなシステムに頼って見たい夢を見られるようになったら、本当に夢のような話ですが、皆さんはどのように思いますか?
 ところで、出願者本人が、出願した後にこの夢から目が覚めたようで、特許の審査を請求しませんでした。夢を実現するためには、夢を見続けていく勇気も必要なようですね。

 


2022年10月20日