このコーナーでは、奇想天外な特許出願について皆さんにご紹介したいと思います。初回はマインドコントロールに関わる特許についてお話ししましょう。
マインドコントロールという言葉は、皆さんも聞いたことがあるでしょう。他人の心理状態を制御して特定の意思や目的へと誘導することを指しています。実際にマインドコントロールに関連する虐待事件等も起きています。マインドコントロールを受けると他人に支配されてしまうことを思うと、鳥肌が立つほど怖く感じませんか?
そこで、「マインドコントロール対策法についての発明」(【公開番号】特開2008-38574(P2008-38574A))という、あらゆるマインドコントロールから身を守ろうととする発明が出願されたのです。なぜこのような発明が必要かというと、公開特許公報の記載によると、「上空からのエイリアンによるマインドコントロールに対する対策が、望まれている。邪悪なグレイ、オリオンによるマインドコントロールは、人間の自由な精神に干渉するもので決して許してはならない。放置することは、地球侵略を虎視眈々とねらう奴らの思うになってしまうことでもある。」ということです。とてもスケールが大きい発想ではありませんか。
具体的にどのようにマインドコントロールを防ぐかというと、発明者は次のように述べています。
「室内においては、テスラ波のパルスを妨害するために、壁に乱反射する素材を使用、電波吸収体・鉛を使用、レーザーで信号パルスを攪乱するなどして防衛する。
室外においては、乱反射する素材で覆われたヘルメット、レーザーを張り巡らせたヘルメット、電波吸収体・鉛で覆われたヘルメットなどを着用することにより防衛する。
一方、各地の高層建築物及び公園、施設などから水平及び斜め上方へレーザーを回転させることにより防衛する。」
更に設計図面まで真剣に書いていました。
このような発明の必要性と現実性について皆さんはどう思います?
因みにこの出願について、発明者が手続き途中で特許として認められるはずもないと感じたためか、審査請求を諦めたため、「未審査請求によるみなし取下」となったのです。