11月16日(木)に開催されるゼミ研究発表討論会2023のテーマは、国際的に関心が高まっているGAFAMを代表とする巨大なデジタルプラットフォームによる力の濫用に関わるものです。
楽天が一時導入しようとした3,980円以上の買い物で全店舗送料無料というビジネスモデルを違法とすべきか、合法とすべきかを徹底討論します!題して、
「楽天全店舗送料無料ラインの導入は、競争法に違反する?違反しない?」
楽天は、出店者を募集する形態を基盤にしてインターネットショッピングモールビジネスを展開しています。その結果、各店舗ごとに異なる送料設定があり、これが消費者にとって利用しづらさをもたらし、Amazonなどの競合プラットフォームとの競争においても非常に不利な状況でした。そこで、弱点を補うべく、3,980円以上という「共通の送料込みライン」を導入しようとしました。
(画像は、楽天サイトの出店案内https://www.rakuten.co.jp/ec/environment/promo/shippingcost/より引用したもの)
(画像は「楽天市場「送料無料ライン3980円以上の施策」実行の理由を担当者に聞く」https://netshop.impress.co.jp/node/6836 より引用したもの)
(画像は、「もがく楽天、じわり客離れ 「支持率」アマゾンに軍配」https://www.nikkei.com/article/DGXMZO04988130Z10C16A7H11A00/ より引用したもの)
(画像は、「楽天の送料無料、何が問題?『アマゾン1強』阻止できるか」https://asahi.gakujo.ne.jp/research/industry_topics/detail/id=2963 より引用したもの)
(画像は「楽天“送料無料”への停止申し立ては、『公取委vsGAFA』の前哨戦だ」https://diamond.jp/articles/-/230697 より引用したもの)
ところが、楽天のこの方針に対して収益性が良くない一部の店舗が反発しました。
(画像はNNNニュースより引用したもの)
これを受けて競争の番人である公正取引委員会は、独占禁止法の「優越的地位の濫用」に該当するおそれがあるとして、調査に乗り出しました(ちなみに、24時間営業のはずのコンビニ業界の時短営業やジャーニーズ事務所の解体も、すべて「優越的地位の濫用」に該当するおそれがあるとして、公正取引委員会の調査開始が発端でした。詳細な説明は別の機会に行いますね。)。
(画像は公正取引委員会の広報資料より引用したもの)
GAFAMを代表とするデジタルプラットフォームに対する風当たりが強まる中、結局、楽天は公正取引委員会と慎重になり、『生贄』になるつもりはなかったようで、一律導入から任意参加への方針転換により、本件の調査も終了しました。
さて、おおよその経緯が前述の通りですが、楽天市場を利用する消費者にとっては、なんだかもどかしい感情が残らないでしょうか。皆さんはどのように考えますか?ぜひ両チームそれぞれの研究発表と討論を聞いて、納得して応援したいチームに一票を投じませんか。どうぞ気軽にご見学ください。